2015年11月24日火曜日



六本木一丁目にある泉屋博古館の「きものモダニズム」

という銘仙の展示に行ってきました。



着物が好きで、大学で織物関係のことを調べていたので

銘仙の展示があると知ったら行かずにいられませんでした。



さて。泉屋博古館、私もあまり馴染みがなく、

周りの人に行ってきましたーと、言っても「???」


という反応が多かったので、まずはご紹介。



泉屋博古館は本館は京都にあります。


今回私が行ってきたのは六本木の分館。


きものモダニズム



住友コレクションと呼ばれる住友家の所蔵品の展示を行っている博物館です。

青銅器や茶道具がメインですが、

今回は須坂クラシック美術館の協力で銘仙の展示を行ったそうです。



須坂クラシック美術館。

隣を素通りしながらいつか行きたいなーと思っていたのですが、

まさか、東京まで見に行くのが先になるとは笑


近いうちにちゃんと行きたいです!


この、きものモダニズム展、着物で行くと100円割引です。



着物来ていくところがあんまり無いので

気合いをいれて長野から着物着て高速バスのって行きました。

(とっても浮いていたし、体勢キツかった)



その日はちょうど15:00からのスペシャルギャラリートークに間に合うように到着。



すごく勉強になったし、倍楽しめました。



美術館に行く際に同じ値段で倍楽しめる工夫って

大事だなーと最近感じています。




更新が遅くなってしまったので、イベントはもう終わってしまったのですが、

泉屋博古館、イベントが充実しているので行く際は要チェックです。




スペシャルギャラリートークには

この展示の監修を行った長崎巌氏(共立女子大学教授)

がお話ししてくださいました。



きっと通っていた大学で教えてもらっていたらすごく好きだっただろうなー

と思う素敵な先生でした。



ギャラリートーク、ロビーがいっぱいになるくらいの賑わいでした。


しかも着物をバッチリ着ている女性陣に囲まれて、


なんかヨレヨレの絣を着ていた私は小さくなって参加していました。




大正、昭和にかけて女性にもてはやされた銘仙の魅力は安さと華やかさ。


銘仙とは製糸の際に繭を一本の糸にほどくことは出来ても

B級となってしまった糸を使った着物です。



それが化学染料の登場と重なったため、

安価な価格と自在な色合いの表現を可能にし、

女性からの支持を集めたのです。



ちなみに、B級となってしまった繭の中でも糸として紡ぐことが

出来ないものはくず繭と呼ばれます。


そのくず繭を綿状にほぐしてから紡いで糸にしたものを使ったものが紬になります。

(私はこちらの方が詳しい)


展示はデザインに焦点を当てて、

意匠ごとの進化を展示でわかるようになっていました。



デザインの変化は時間軸に沿ったものではないものの、

古典的な柄からどんどん離れて自由な発想を

着物のデザインとして表現出来るようになり、

銘仙の可能性の大きさとまたそれが銘仙らしさという点がよくわかります。



展示は伝統的な麻の葉柄や矢羽柄からはじまります。


吉祥紋様のたちばなや夫婦仲のよさを意味するおしどりなどは

端的に言うと意味を離れて、「かわいい!」と、

感じるカラフルでポップなデザインとして取り込まれます。


チューリップや薔薇のデザインは多く、

もともと着物のデザインにはあまり見られなかった洋花も多く見られます。



しまいにはなんの模様かわからない、

抽象的、色彩構成的な作品も登場します。



解説の先生の言葉を借りると

「ここまで来ると、見る人の感性次第。コンテンポラリーアートの領域」

だそうです。


すごい。



女性向けの着物の展示なこともありますか、

こうやってカラフルな展示が並んでいると、


もう着物自体をキャンバスとして自由な表現を銘仙で表していて、


今でいうとワンピースを越えた自由なオシャレを

楽しんでいたんじゃないかなと思いました。



着物が好きな人はぜひ、見に行ってほしい展示です。


あと少しですが、会期は12/6までです。


最近、自分でもびっくりですが、六本木ばっかりでした。




六本木、ふらーっと楽しめるアートスポットが多いので1日楽しめると思いますよ。





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