2015年12月31日木曜日



先日、藤田嗣治の映画、「FOUJITA」を見に行くといって

更新しないまま、危うく年を越してしまいそうでした。



私が見に行った有楽町での上映はちょうど終わってしまったかもしれないですが、

新宿や渋谷ではまだ見られると思います。


長野市では1月9日から上映です。




この映画、自伝的な内容ではないです。







映像美と世界観を楽しむ映画だと思いました。


オダギリジョーの演じる藤田嗣治、すっごいよかったです。

藤田っぽいというか、きれいでした。





作品としては前半のエコール・ド・パリを謳歌するフジタ

後半の戦時下の日本で戦争画を描くフジタ。


この二つの時代のフジタが描かれています。




内容は、フジタという人物を全く知らない人はあまり内容が入ってこないかもしれません。



ぜひ、映画を見に行く前にフジタについて書いたページ、

わかりやすいと思うので一読していってください。

↓ ↓ ↓

上田市立美術館「レオナール・フジタ展 ‐パリへの視線‐」行ってきました




エコール・ド・パリ、売れっ子のフジタを描いた前半がすごく好きです。


映像美がすごい。


華やかでお祭り騒ぎで、だからこそ儚すぎてちょっと怖い、だからこそ美しいというか。


フジタの目に映っていたパリってこうだったんじゃないかな。

という私のイメージに合っていました。



私の好きな高村光太郎の詩も出てきました。







シーンは日本へと移り、

陸軍美術協会理事長として多くの戦争画を手掛けます。



疎開した先での静かな自身の生き方を見つめているような

とても抽象的な内容になっていきます。



パリでの華やかさとは対照的な静けさが、

これまでの名声や、表現していた空想的な独自の世界観が

狐に化かされていたようだったというような内容なんでしょうか?



個人的には、またパリに戻ったフジタが生涯を終えるまでを描いたら

もっと好きだなーと、思いました。


戦時中のシーンももっと生きてくるような気がするし・・・・。


あと、もっと猫に登場してほしかったなーとも。





でも、この映画はきっと、フジタの生涯ではなくて、

世界観とか美しさとかが主題なんだなって見終えてからおもいました。





すごく、きれいな映画だと思います。







さて、2015年も今日で最後ですね。

ずっと更新していなかった行ってきた美術館まとめのページ、

更新しましたので、ぜひご覧ください。



良いお年を。



2015年12月21日月曜日





国立科学博物館「ワイン展」行ってきました!



上野公園の国立科学博物館の特別展「ワイン展」行ってきました!


国立科学博物館というと、以前、チョコレート展をやっていて

興味あったのに行けなくて心残りでした。


カハクのシンボルですよね
実は訪れるのは小学校の修学旅行以来



今回のワイン展、(私はチョコレートよりワインの方が好きかな...笑)

よし!行こう!と、心に決めていました。



美術館や資料館は、良く行くのですが、

科学系の博物館の企画展ってあまり足を運んでいないんですよね。




行く前から、色々興味ありました。どんな内容なのか、


どのくらいのボリュームなのか、どんな客層なのか、一人で行っても切なくないか。



金曜の平日に行ってきたので、一緒にいってくれる人が見つからなくて、


一人で行ってきました。



結果的に展示が面白かったので全然平気でした笑


ワイン展のチケット
ワイン展のチケットがオシャレ



客層は一人で来ている男性が多目だった気がします。



平日ということもあるのか若い人は少な目でした。



入ってすぐ、BGMの流れる展示空間にたどり着きます。


ワイナリーっぽさを演出していました
展示の様子



美術の展示に比べて、なんというかワイン~という

雰囲気作りも大事になるんだろうな、なんて思いました。




ブドウの品種、作り方について、ワインの作り方、味の楽しみかた、

世界のワイン史、日本でのワイン作り、ワインのデザイン。

と、いった流れで展示が進められ、

想像以上にボリュームがあって楽しめました。




展示もワインのボルドーとかシャンパーニュとかピンと

来なくても解説がわかりやすいので詳しくなくても大丈夫でした。



さすがカハク、五感を使うような展示が工夫されていて、


ブドウを足で潰す体験や香りを当てるクイズなど面白かったです。



具体的な時代を忘れてしまったのですが、

紀元前2000年には文献にワインが登場していて、

それよりも遥か昔から作られていたんですね。



しかも、発祥が西アジアとは知りませんでした。



シルクロードを通ってヨーロッパまで運ばれることで

世界中に広まっていったようです。




なんと素敵な歴史!世界史は苦手だったので、

わかりませんが、いかにも世界史的ロマンが詰まっていると思いました。



でも、なぜヨーロッパの方が現在の産地として有名なのに

西アジアではあまり定着しなかったのかな?

と、素朴な疑問が。



気候変動?国策の違い?食文化の変化?宗教?

学芸員さんに質問したかったのですが、

いい機会が無くて質問はできませんでした。



詳しいかたにいつか教えていただきたいです。


ワインのボトルやコルクは、中に入れるワインに合わせたものが

選ばれているなんてことも知らなかったし、

新しいワインの知識をたくさん学べました!


どこかで生かせるかはよくわかりません!

黒字にピンクがオシャレ
ワイン展のポスターデザインが個人的にすごく好きです


最後のデザインのところは芸術家のラベルデザインを特集していて、

絵が好きな人も楽しめると思います。


こんなオシャレな作りになってるとは知りませんでした
カハク日本館の天井、かっこいい建築です

気軽に行って楽しめる展示です。



会期はまだまだ長いので是非行ってみてください。




2015年12月18日金曜日



実は、11/6の公開してすぐ見に行ってきたのですが、

うっかり書くのを失念しておりました。

まだやってる映画館もあると思うのでぜひ!


第二次世界対戦、ナチス軍の盗品奪還のため特別編成した

「 The Monuments Men 」。


男性は兵士として戦地に赴くなか、

この部隊に所属するのは学芸員、収集家、建築家でほとんどが中年。



人々の歴史を後世に伝えるため命を懸けて美術品を守る作戦が

実行されるという実話をもとにした作品です。



この映画、明らかに万人受けする内容じゃないですよね。

映画のなかに、奪還したフェルメールの作品が土ぼこり舞う

アメリカ軍のキャンプ地に置かれているシーンがあります。



そのシーンを見て、

「映画の小道具とはわかってるけど、やめてくれええええ!!!」

と、なる人でないと、メッセージ性に共感できないかもしれません。


邦題の「ミケランジェロプロジェクト」は

ミケランジェロ作の「聖母子像」を守ろうと

命を落とした隊員のシーンに由来していると思います。


人の命を懸けて美術品を守るなんて意味があるのか?と、


作戦にはなかなか軍部の協力が得られません。

しかし、「美術品は人々の英知の結集で歴史そのものだ。私たちはその歴史を後世に繋がなくては
いけない」


とメンバーを奮起するシーンがあります。

なるほどなー、と、思いました。


感想は人それぞれだと思いますが、

私が思ったのは、これは実話をもとにした昔のはなしと思いたくないなということです。

今だって紛争地域は存在するし、

特に中東地域の文化財の破壊や盗品は大きな問題になっています。

ぽっかりと、歴史を未来に繋げない地域があるなんて、

そんな悲しいことはないですよね。

文化財や歴史に対する認識を世界規模で共有できる日がくればいいなと思いました。

それよりも先に紛争なんてなくなるのが、一番ですけれども。


邦題は「ミケランジェロプロジェクト」ですが、

原題は「 The Monuments Men 」です。

原題の方が、作品にしっくり来てるかなと、思いました。

博識な隊員たちがミケランジェロに限らず 文化財全般に愛情と使命を持って活躍する映画です。


ぜひ、見にいってみてください!

最近は美術に関連した映画作品の公開が続いていますよね。

クリムトの作品をめぐる実話「黄金のアデーレ」、

全国で公開してるのですごく見に行きたい....。

私は実はこれから「FOUJITA」を見に行きます。



春先に藤田嗣治を見に行き、先日、この映画も公開したので今年はレオナールフジタ イヤーだと思っています。




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