東京国立博物館の特別展「生誕150年 黒田清輝」展に行ってきました。
年度始めは気合いの入った特別展がどこも多いので行くところが多くて困ります。
幸せな悩みです。
平成館に入るのは去年の5月に「鳥獣戯画」展以来です。
混んでいるのに辟易した記憶があったので、
平日の午前中に行ってきました。
撮るのが遠すぎたトーハク |
私はどれだけの有給を特別展に充てるのでしょうか。
さて。狙い通り特別展でも落ち着いて見ることができました。
よかった!
平成館前のスペースに順番待ちとかはありませんでした |
黒田清輝といえば、教科書に絶対載っている「読書」「湖畔」
ポスターにもなっていますが、この展示でしっかり見ることができます!
平成館の壁 |
黒田清輝は薩摩藩士の家に生まれ、
18歳のとき法律家になるために渡仏したのですが、
そこで画家を目指すことを決意。
ラファエル・コランに師事します。
「読書」ですが、この絵は25歳のときの作品だそうです。
25歳って!
私は今年で25歳なので今からサロンに出品して評価されないと
黒田清輝に追い付けません。
日本とは全く異なる表現方法を吸収して、
自分のものにして評価されることってすごいと思います。
作品を見ていて思ったのが、黒田清輝の作品は色使いが明るいです。
それが外光派の特徴だと言われてしまえばそれまでなのですが、
落ち着いた色でも暗くない。黒田清輝っぽい色使いというものがあるなと思いました。
読書を今回じっくり見ていて思ったのは、
描かれている女性の目、想像以上に真剣に本を読んでるなと思いました。
大したことない感想ですみません。
湖畔のポストカード |
「湖畔」のモデルは後に奥さんとなった照子さんという女性です。
かなりきれいな人だと思います。
全体の青っぽい色合いといい優しくて涼しげで、
惹かれる人の多い作品ということにも納得です。
帰国した黒田清輝は西洋の表現を教える立場として活躍します。
「腰巻事件」という事件、聞いたことありますか?
フランスのサロンで入選した「朝妝」(ちょうしょう)という裸婦像を
日本で展示したところ、警察に風紀を乱すとされて
裸婦像の下半身を布で覆ってしまったというものです。
晩年まで黒田清輝はこの芸術の表現への対立と戦わねばならなかったのですが、
今となってはlove展なんかはけっこう直接的だったし、
春画展なんかも昨年あったし、
あえぎ声をあげる大根の作品とかもあるようなので、
おかげさまでこんな時代になったよと教えてあげたいです。
黒田清輝の作品を見ていて思ったのが、
西洋の表現を伝えることや日本の芸術を取り巻く環境に奔走していたから、
自分の作品に取り組む時間ってそんなに無かったんじゃないのかな?
と、思ってみていたのですが、
黒田清輝自身の言葉にも、そういった内容が残されていました。
晩年は自分の表現がうまくいかず、
苦悩している様子もあったようです。
なんというか、ゴッホっぽい作品、師匠のコランぽい作品、
大好きだったミレーっぽい作品と描き分けるのはとても上手なのですが、
これぞ黒田清輝!という作品はやっぱり限られてしまうのかなと思いました。
黒田清輝の教えを受けていた青木繁とかは描きたいものと
表現方法がわかりやすい代表ですが、
黒田清輝はそういうタイプじゃないなと思いました。
スケッチや下絵も多くて、けっこう真面目なタイプなのかなとも思いました。
黒田清輝という人物を理解できる展示内容だと思います。
こういう展示がけっこう好きです。
黒田清輝展、5月15日までです。
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