先月、マグリット展に行ったときに
そのシュールな世界観を眺めていてすごく読み返したくなった本があります。
それが「ちいさなちいさな王様」です。
しまりす屋の美術館めぐり筆者は全然読書家でも何でもないのですが、
一度読んで好きな本のことはけっこうこだわる方です。
ドイツの児童文学なのですが、
全然児童向きじゃない。
初めて読んだときは高校生でしたが、
むしろ最近読み返してようやく理解できるくらいです。
文はドイツの新聞記者で作家のアクセル・ハッケ。
絵は映画「アメリ」に出てくるイラストなども手がけたドイツの
イラストレーター ミヒャエル・ゾーヴァ。
この本はこの文章とイラストがあってこそ成り立つ絶妙な世界観です。
独特なシュールさがたまらないんです。
一人暮らしのサラリーマンのもとに現れる親指くらいのサイズの王様。
すごくメルヘンなのに、すごく毒があるというか。
これは妻が飼っているプードルをいつも殺したいと思っている
夫が公園の木にプードルをつないだままにしておいたところ、
偶然開発したプードル救い機で救助されているイラスト。
これは全部王様の妄想なので、別に動物虐待の要素は全然ないですよ!
思わず、くすっとしてしまうのに、なんだか考えさせられて
忘れてはいけなかったものを思い出させてくれるような。
そんな本です。
本当は、もっと深くて素敵なことが書ければいいななんて思いますし、
好きな部分を引用したいですけど、
短いお話なので、楽しみを奪ってしまいそうで難しいです。
気になった方はぜひ手に取ってみてください。
ミヒャエルゾーヴァのイラストの展示があったらいつか見に行きたいです。
しまりす屋はこちらから
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